事案の概要

業種:サービス業(飲食店)

関係する権利:商標権

請求側/被請求側:請求側

クライアント:海外企業

相手方:個人

概要:依頼者(海外企業)は、自社のブランド名として登録商標を保有しており、海外で飲食店を展開していました。
ある日、国内で自社の登録商標と極めて類似する店名を掲げた飲食店が営業していることを発見しました。依頼者は、自身の商標の信用を維持するため、その店名の使用を停止させる方針とし、当事務所に相談されました。

1.任意の交渉

まず当事務所では、問題となった飲食店の実態を調査しましたが、商号登記・店舗所在地・インターネット上の情報等の公開情報からは営業主体(法人・個人事業主)を特定することができませんでした。そこで、現地調査を行い「飲食店営業許可証」から営業主体(個人)を特定しました。

その上で、相手方に対し、登録商標権の存在と類似の程度を説明したうえで店名の使用停止および変更を求める書簡を送付しました。

しかし、相手方からは度重なる書簡送付にもかかわらず一切の応答がなく、誠実な対応が見込めない状況であったため、やむを得ず商標権侵害差止請求訴訟を提起しました。

2.訴訟

訴訟において、相手方は弁護士を代理人として選任し応訴してきましたが、実際には商標の類似性などについて有効な反論を行うことができませんでした

裁判所は当方の主張・立証を概ね認める方向で進行し、和解勧試の場において、店名の使用停止・変更および解決金の支払いを内容とする和解案が提示されました。

裁判所主導で訴訟上の和解が成立し、事件は円満に終了しました。

3.結果

和解成立後、相手方は速やかに店名の看板を撤去・変更し、さらに飲食業態そのものも変更して営業を再開していることを確認しました。
依頼者の商標の信用とブランド価値は維持され、本件は完全解決となりました。

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4.コメント

本件は、商標権の侵害が明確であるにもかかわらず、相手方が任意の交渉に応じなかった典型例です。対象となる商標は海外で有名な飲食店の名称であり、日本進出にあたりブランド価値を毀損しないことが重要でした。

当事務所は、粘り強く事実調査を行い、訴訟において早期に有利な立証構造を構築することで、短期間で実効性のある和解を実現することができました。

商標侵害事案では、初期対応を誤るとブランドの毀損が拡大するおそれがあります。早期に適切な法的手段を講じることで、依頼者の権利を確実に保全できることを示す事例となりました。