現代のビジネスでウェブサイトやアプリ、オンラインサービスを提供するにあたり、利用者とのトラブルを未然に防ぎ、信頼関係を構築するためには、明確なルールと個人情報保護の方針を整備することが重要です。しかし、「何をどこまで記載すべきか」「法改正に対応できているか」など、具体的な対応に悩む経営者の方も少なくありません。

この記事では、利用規約やプライバシーポリシーの作成に必要な知識と注意点を解説するとともに、弁護士に依頼することで得られるメリットについても詳しくご紹介します。

利用規約・プライバシーポリシーとは?

利用規約

ユーザーがサービスを利用する際のルールを定め、サービス提供者と利用者の間の責任を明確にするための規定です。これにより、双方が何を期待できるか、またどのような行為が禁止されるかを事前に明確にします。たとえば、オンラインショップでは返品・返金の条件、サブスクリプション型サービスでは契約更新の手順などを記載します。

プライバシーポリシー

顧客やユーザーから収集した個人情報をどのように管理・利用するかを明文化した指針です。個人情報保護法などの法規制に準拠し、個人データの収集・利用の目的や、第三者への提供に関する方針を示すことが求められます。適切なプライバシーポリシーは、企業の透明性を高め、顧客の信頼を得る重要な要素です。

利用規約・プライバシーポリシーを作成する理由

利用規約やプライバシーポリシーを作成することは、サービス運営の透明性を確保し、トラブルを防ぐために不可欠です。利用者との間で起こりうる誤解を防ぎ、契約違反や不正行為に対する対策を講じるためにも、事前に明確なルールを定めることが求められます。また、規約やポリシーを整備することで、法的トラブルの際にも、事業者側の立場を守る根拠として機能します。

プライバシーポリシーに関しては、特に個人情報の取り扱いに敏感な顧客に対し、安心感を与える効果があります。データ漏洩や不正アクセスが発生した場合、事前に定めたポリシーに基づいて迅速な対応ができるため、企業にとってのリスク管理の一環ともなります。

利用規約やプライバシーポリシーの作成は義務?

法律では、個人情報を取り扱う事業者には、プライバシーポリシーの掲示が義務づけられています。特にECサイトやSNSサービスなど、ユーザーから住所や決済情報などの個人情報を収集する企業は、「個人情報保護法」に基づき、情報の取り扱い方針を公表しなければなりません。これを怠ると、行政からの指導や罰金、顧客からのクレームなど、さまざまな問題が発生する可能性があります。

利用規約については、法律で直接義務づけられていない場合が多いですが、契約の透明性を保つためのものとして多くの企業が導入しています。たとえば、サブスクリプション型サービスでの自動更新や、オンラインプラットフォームでの禁止行為を明記することで、顧客とのトラブルを未然に防止します。さらに、トラブルが発生した場合の対応基準を明確にしておくことは、迅速なトラブルの解決に繋がります。

利用規約・プライバシーポリシーに記載すべき事項

利用規約とプライバシーポリシーにはそれぞれ記載すべき事項があります。以下では、その記載すべき事項について紹介いたします。

利用規約に記載する内容

サービスの概要

利用規約では、サービスの具体的な内容と、その提供範囲を明確に示すことが重要です。たとえば、オンライン学習プラットフォームであれば、受講可能な講座の範囲や、提供されるサポート内容について説明します。

利用者の義務と禁止事項

利用者がサービスを利用する際に守らなければならないルールを明記します。これには、不正アクセスの禁止、知的財産権の侵害防止、他のユーザーへの嫌がらせ行為の禁止などが含まれます。たとえば、SNSサービスでは、他者への誹謗中傷やスパム行為が禁じられることが一般的です。

免責事項

事業者の責任範囲を限定するための重要な項目です。システム障害によってサービスが一時的に利用できなくなった場合や、不可抗力による問題が生じた場合に、事業者が責任を負わない旨を記載します。

プライバシーポリシーに記載する内容

収集する個人情報の種類

具体的に収集する情報の種類を明示します。ECサイトでは、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、購入履歴などが含まれます。ユーザーが安心して情報を提供できるよう、できるだけ透明性を持って説明します。

個人情報の利用目的

収集した情報をどのように利用するのか、その目的を明示する必要があります。これには、サービス改善のための顧客アンケートの実施などが該当します。また、マーケティング目的での利用についても具体的に示し、ユーザーに選択の自由を提供することが求められます。

第三者提供の有無と対応

収集した個人情報を第三者に提供する可能性がある場合、その提供先や目的を具体的に説明します。たとえば、決済サービスプロバイダや配送業者との連携が必要な場合、それに関する情報をユーザーに開示します。また、ユーザーからの申し出に応じて、情報提供を停止する手続きを設けることも大切です。

利用規約やプライバシーポリシー作成の際の注意点

利用規約やプライバシーポリシーを作成する際には、単にテンプレートを使った形式的な準備ではなく、自社の業務内容や法的リスクに即した設計が必要です。サービス提供者としては、利用者との間で発生する可能性のあるトラブルを予測し、それに対する明確なルールを定めなければなりません。手続きの条件が曖昧だと、顧客からのクレームや返金要求が増えるリスクがあります。

また、法律の改正や業界の慣行の変化に伴い、既存の規約やポリシーの内容が合わなくなることも考慮しなければなりません。とくに、個人情報保護法の改正やGDPR(欧州一般データ保護規則)などの海外法規の影響を受ける企業の場合、最新の法規制に対応していないと行政指導の対象となる可能性があります。さらに、サービスが拡大したり、新機能を追加したりする際には、それに伴って利用規約も更新する必要が出てきます。

加えて、規約の文言が難解であることは、利用者の理解を妨げ、信頼を損なうリスクを高めます。分かりやすい言葉で明確にルールを示すことで、ユーザーエクスペリエンスの向上にも繋がります。誤解が生じにくいよう、可能な限り平易な表現で規約を作成することが推奨されます。

利用規約・プライバシーポリシー作成を弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼することで、ビジネスのリスクを考慮した適切な規約やポリシーを作成できるという大きな利点があります。自社で作成する場合には見逃してしまうような法的なリスクも、弁護士の目を通すことで事前に洗い出し、対応が可能となります。

実際のサービスに即した内容にすることができる

弁護士は、企業の業態やサービスに応じた具体的な規約を提供します。ECサイトでは「返品・返金ポリシー」、SNSでは「禁止行為」に関する詳細を明記することで、運営上のトラブルを防止できます。また、業界特有の慣行や、サービス特有のルールを反映することで、規約の実効性を高めます。

紛争リスクを最小限に抑えられる

法律に準拠した規約を整備することで、ユーザーとの紛争を未然に防ぐことが可能です。利用規約に免責事項や契約解除条件を詳細に記載しておくことで、トラブルが発生した際も、法的に有利な立場を保つことができます。また、契約内容が明確であれば、ユーザーとの誤解を減らし、トラブルの発生頻度も抑えられます。

紛争発生時の対応を迅速に行うことが可能

弁護士と事前に相談し、適切な規約を用意しておくことで、トラブルが発生した場合の対応もスムーズに進められます。規約に基づいて迅速に対策を講じることで、被害の拡大を防ぎ、企業の信頼性を維持することが可能です。たとえば、顧客からのクレームや契約解除の要求に対しても、適切な対応を迅速に行えます。こうした事前準備は、ビジネスの継続性を高めるために非常に重要です。

利用規約やプライバシーポリシーにおける当事務所のサポート

当事務所では、経営者や事業者の皆さまが安心してビジネスを運営できるよう、利用規約やプライバシーポリシーの新規作成、リーガルチェック、見直しなどの包括的なサポートを提供しています。規約やポリシーは、単なる法的な書面ではなく、企業と顧客の関係を構築し、信頼を高める重要な役割を果たします。そのため、当事務所では、法的リスクを最小限に抑えながら、各企業のビジネスモデルに最適な内容を反映するための細かなカスタマイズを行っています。

利用規約・プライバシーポリシーの新規作成

企業ごとに異なる業態や提供するサービスの特性に応じた、最適な利用規約とプライバシーポリシーの作成をお手伝いします。オンラインストアであれば返品・キャンセルポリシー、SNSサービスであれば禁止行為の明記など、各サービスに必要な項目を網羅するだけでなく、法改正や国際規制にも対応した内容を提供します。特に、近年は個人情報保護の重要性が高まっており、国内外の規制も視野に入れたサポートも行います。

リーガルチェックと改訂のサポート

規約やポリシーの内容が最新の法規制に準拠しているかどうかをチェックすることは、企業の信頼性を守るために重要です。当事務所では、既存の利用規約やプライバシーポリシーを精査し、法改正やサービスの変化に応じた改訂をサポートします。企業の成長に伴い、新たなサービスや機能が追加される際も、規約のアップデートを適切に行うことで、利用者との間で誤解やトラブルが生じるのを防ぎます。

リスクの未然防止とトラブル対応

当事務所の弁護士は、規約やポリシーに潜むリスクを未然に防ぐための予防策を提供します。特に、曖昧な条項や抜け穴となる表現がないかを事前に見極め、トラブル発生のリスクを抑えます。さらに、万が一トラブルが発生した場合でも、事前に策定した規約を根拠として迅速かつ的確に対応することができます。これにより、顧客からのクレーム対応や行政からの指導にも対処することが可能です。

当事務所の強み

当事務所は、知的財産分野における豊富な経験を活かし、利用規約やプライバシーポリシーの策定をサポートしています。知財に強い弁護士が、特許、商標、著作権などの専門知識を反映した規約・ポリシーを提供することで、法的リスクを最小限に抑え、ビジネスの信頼性向上に貢献します。また、最新法規制にも対応しており、必要に応じた見直しやアップデートも迅速に行います。そして、当事務所は最短でお問い合わせ当日にお打ち合わせが可能です。弊所へのご来訪、貴社へのお伺い、ネット会議や電話によるご相談、いずれも可能です。ご希望に合わせた方法で迅速に解決するようサポートさせていただきます。ぜひ当事務所にご相談ください。

弁護士費用

費用に関する詳細な情報は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

サポート内容費用
初回相談無料
顧問契約5万円/10万円/15万円
(税別)
経済的利益着手金報酬金
300万円以下の部分8%16%
300万円を超え、3,000万円以下の部分5%10%
3,000万円を超え、3億円以下の部分3%6%
3億円を越える部分2%4%
(税別)

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