事案の概要

業種:ウェブサービス

関係する権利:著作権

請求側/被請求側:被請求側

クライアント:株式会社

相手方:株式会社

概要:依頼者(中小企業)は、自社のウェブサイトが他社サイトと類似しているとして、相手方から「著作権侵害にあたる」との警告書を受けました。

相手方は、サイトデザインやレイアウト、画像構成などが酷似していると主張し損害賠償金の支払いおよびサイトの停止・削除を求めてきました。

1.初動対応

当事務所では、依頼者サイトと相手方サイトを詳細に比較した結果、著作物性の認められる文章やイメージが類似していることが判明しました。

さらに、単なるデザインの類似を超えて、

  • クラス名やID名の命名規則
  • コード内のコメントアウト文言
  • HTML構造の階層配置

まで相手方サイトと一致している箇所が多数確認されました。

これらは偶然の一致では説明できず、依頼者が相手方サイトを直接参照・複製していた可能性が高いと判断しました。
さらなる聞き取り調査の結果、依頼者の外注業者が相手方サイトのソースを参考にして制作していた事実が判明しました。

なお、相手方の主張する損害賠償金は裁判例等と比較しても高額だったため、減額交渉をしていく方針としました。

2.交渉

当事務所は、相手方代理人と交渉を行い、依頼者が侵害の事実を認め、謝罪したうえで、速やかに該当部分を修正し、著作権侵害状態を解消することを確約しました。

妥当と思われる額での和解に向けて、減額交渉を行いました。その結果、

  • 外注業者も当事者として和解に参加すること、
  • 問題となった箇所を全面的に修正し、今後同様の侵害行為を行わないことを確約すること、
    を条件とする包括的な解決案を提示しました。

最終的に、相手方は当方の主張を受け入れ、低額の和解金支払いによる和解が成立しました。

3.結果

  • 依頼者および外注業者が著作権侵害を認め謝罪
  • ウェブサイトを修正し、著作権侵害状態を解消
  • 将来同様の侵害を行わない旨を確約
  • 損害賠償は低額で早期に解決

依頼者は、訴訟化や業務停止を回避し、信頼回復と再発防止の両立を図ることができました。

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4.コメント

本件は、外注業者の模倣行為が原因で発生した著作権侵害トラブルにおいて、依頼者と外注業者が共同で誠実な対応を行い、短期間で円満に解決した事例です。

クラス名やコメントアウトまで一致していたことから、単なる参考ではなく意図的な複製(模倣)であることが強く推認されましたが、依頼者が早期に侵害を認め、謝罪と再発防止を約束したことで、訴訟に発展することなく低コストで解決を実現しました。

当事務所では

  • 当事務所では
  • 著作権侵害警告への初動対応
  • 技術的調査(ソースコード・構造比較)
  • 外注業者を含む多当事者交渉
  • 損害賠償の減額交渉と和解契約書作成

を一貫して行い、依頼者の信頼と事業継続を守る法的支援を提供しています。